ECの世界を20年も体験すると成功もあれば失敗話もよく目にします。今回は、ネットショップの成功が失敗になってしまった話を書きます。
成功が失敗の要因となりうるという話
グレッグ・マッケオン(Greg McKeown)氏は、米誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』で、「成功が失敗の要因となりうる」というテーマの記事を執筆。「目標達成しようというドライブが絶えずかかると、その意に反する作用が働くことがある」と、指摘しています。
成功した人や組織が、必ずしもより多くの成功を収めるとは限りません。
①目標が明確だと、成功につながる。
↓
②成功すると、さらなる選択肢や機会につながる。
↓
③選択肢や機会が増えると、努力が分散する。
↓
④努力が拡散すると、目標が明確でなくなり、成功につながりにくくなる。
まるでZOZOTOWNの前社長の前澤さんみたいですが、成功が失敗の要因になっているわけです。それでも彼は今のところお金持ちですが、これまで多くの企業やネットショップの経営者の末路は、③から④を経て結果、売却・廃業・倒産・自己破産を迎えています。
以下は、②で失敗するパターンを紹介します。上記のようなパターンは経営戦略の失敗ですが、下記は欲望や怠惰で失敗するパターンです。
事業の多角化で失敗
①ネットショップが成功して儲かる
↓
②いろんな分野に手を出し在庫が増える、人も増える
↓
③コンセプトが意味不明なので意味不明なイベントやSALEを企画するようになる
↓
④赤字で商品を売り出す
↓
⑤閉店・倒産
さらにこんな例もあります。
放蕩で失敗
①ネットショップが成功して儲かる
↓
②交友関係が広がりプライベートで散財する
↓
③事業資金が足りなくなる
↓
④閉店・倒産
さらに、こういう場合もあります。
管理不足で失敗
①ネットショップが成功して儲かる
↓
②放任主義でスタッフに横領される
↓
③閉店・倒産
いかがでしょうか。上の3例は余談ですが、宝くじが当たって不幸になる話みたいな感じですね。成功度合いによって儲かり具合もスケールも異なりますが、失敗するとき、上記4例のいずれかに当てはまることが多いと思います。
失敗は成功の糧となるという話はよく聞きますが、成功が失敗の要因になる話はあまり聞かれません。
実際はネットショップで成功しても、その後の経営戦略次第で失敗し、閉店・倒産を向かてしまうそんな末路も多くあります。