ネットショップを構築する際に、男性向け、女性向けなどを意識的にデザインし、制作することを依頼されたりします。
例えば、家電ですが、男性も女性も使いますし、ジャンルも幅広いです。ホームページやネットショップを制作する際に、男性、女性を意識したデザインである必要がありますか?
ここでのポイントはあえて『性を意識』する必要があるのか?ということです。
ジェンダーフリーが唱えられている時代、性を意識した固定化したデザインや販売は、捨て去った方が販路を狭めないで済むように思います。
ジェンダーフリーとは
某世界的大企業の研修(欧州)に行った際に、盛んにジェンダーフリーが訴えられていたのを覚えています。
ジェンダーフリーの定義は『従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること』となっています。
社会的性別(ジェンダー)に対する一般通念にとらわれず、自分の生き方を自己決定出来るようにしようという、『固定的な性役割の通念からの自由を目指す』思想、およびこの思想に基づいた社会運動を指すこともあります。
研修で盛んに訴えられていたのは『固定的な性の通念から脱却』という意味で個人的には解釈しています。ビジネス分野で、女性のために、男性のために、女性向け、男性向けなどの固定化意識に囚われないようにしようということです。
では、ホームページ・ネットショップを運営していくうえで、『性を意識しない』はどうすれば良いのか?
固定化された概念を捨てる
例えば、ホームページ・ネットショップのデザインを決める際のカラーの話ですが、女性向けのサイトを作りたいのでピンクやパステルカラーをイメージしたデザインでお願いしますと依頼されるケースは多いです。はじめから”固定化されたイメージ”なので商品の内容に関わらずピンクやパステルカラーでデザインしたホームページを制作して終わります。
実際は、その商品が女性向けだからといってそのカラーにする必要があるのでしょうか?
・女性は等しくピンクやパステルカラーが好きなのか?
・その商品は女性にしか売れない・女性しか買わない商品なのか?
男性を意識して欲しいという依頼は少ないのに(ほぼない)、女性を意識して欲しいというのは良くある話なのです。依頼側の性別は関係なくその傾向があります。
固定的な性の通念から脱却
例えば、男性パンツの話、この商品を買うのは男性ですか?女性ですか?
答えは、どちらも買いますよね。
LGBT分野での話ではなく、よくある光景・よくある例えですが、
息子のパンツは誰が買う?お父さんかもしれないし、お母さんかもしれないですよね。多くは息子のパンツはお母さんが買うでしょう。息子本人が買うこともあるでしょうが、小さい間はお母さんが買う事が多いと思います。
では、男性用パンツを販売するうえで、売り場のデザインに、性を意識する必要性ってあるんですか?
もうひとつの例えですが、ヘアアクセサリーは、女性だけが買うとは限りませんよね。
ヘアアクセサリーは、ロングヘアーの男性も買いますし、彼女へのプレゼント、母へのプレゼント目的で男性が買うこともあります。
あえて女性を意識した売り場のデザインである必要があるのか?
その商品の魅力を伝えるうえで、あえて女性を、男性を、という意識をする必要があるのか?
そうでなければ売れないものなのか?
『性を意識しない』ことが販路を狭めないことになるのは理解できます。私もどちらからというと古い固定概念に囚われがちなのですが、欧州でスタンダードになりつつあるジェンダーフリーについて、EC分野においても疑問符を持ち、一考していきたいと思っています。